辨 |
ニワゼキショウ属 Sisyrinchium(庭菖蒲 tíngchāngpú 屬)には、新世界に約80種がある。
ルリニワゼキショウ S. angustifolium(狹葉庭石菖)
ヒトフサニワゼキショウ S. mucronatum
ニワゼキショウ S. rosulatum(庭菖蒲)
S. patagonicum
S. scabrum 『週刊朝日百科 植物の世界』9-294
S. striatum 『週刊朝日百科 植物の世界』9-294
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アヤメ科 Iridaceae(鳶尾 yuānwěi 科)については、アヤメ科を見よ。 |
訓 |
和名・漢名は、葉がセキショウ(石菖)に似て、庭園に植えることから。 |
説 |
北アメリカ原産。明治20年ころに渡来したとされ、今日ではいたるところの芝生に野生化している。 |
誌 |
庭石菖、またの名は草あやめの真盛りである。茜(あかね)がかった紫と白と、一本二本はさしてめでたい花でもないが、午の日を受けて何万となく庭一面に咲く時は、緑の地に紫と白の浮き模様、花毛氈(はなもうせん)を敷いたように美しい。見てくれる人がないから、日傭(ひよう)のおかみを引張って来て見せる。
草あやめの外には、芍薬(しゃくやく、シャクヤク)、紫と白と黄の渓蓀(あやめ、アヤメ)、薔薇(ばら、バラ)、石竹(せきちく、セキチク)、瞿麦(とこなつ、セキチクの一品種)、虞美人草(ぐびじんそう、ヒナゲシ)、花芥子(はなげし、ケシ)、紅白除虫菊(アカバナムシヨケギクとシロバナムシヨケギク)、皆存分に咲いて、庭も園も色々に明るくなった。
徳富蘆花「春の暮」(1912.5.26、『みみずのたはこと』所収、岩波文庫本)
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